レッド・オクトーバーを追え!

1990年公開の映画。

原作小説も極めて面白い。
多分、初めて見たのはテレビか何かだと思う。その後原作を読んでトム・クランシーにハマってしまった。
ただ、トム・クランシーが日本嫌いなのがあからさまになって離れるんだけれども。

「キャタピラー」と呼ばれる、無音航行システムを搭載した、ソビエト海軍の最新鋭艦「レッド・オクトーバー」は、作戦航海に出撃したが、マルコ・ラミウス艦長は彼の部下と共に、自由を求めて逃走する。共産党はこの事態を重く見、全海軍に、艦の撃沈を命令。一方、ソ連海軍の異常な動きを察知したCIAと米海軍は、分析の結果、ラミウスの逃走行動であると断定し、ソビエトの軍事機密を手に入れるべく、艦に接触を試みる。しかし、その近海にもソ連艦が……。

上記のあらすじは僕が1994年に書いた原作小説の方の紹介の一部。
原作はトム・クランシー、監督はジョン・マクティアナン、主演はショーン・コネリーとアレック・ボールドウィン。

潜水艦ものというのは、相手から見えない代わりにこちらも見えないという、独特の緊張感があってとても好き。
その上この作品は、ジャック・ライアンという人物の冒険譚という側面もあって、アクションもなかなか。

トム・クランシーの描く小説は装備や運用に関してはとてもリアリティーがある。
ただこの映画には根本的に二つの違和感がある。
それは、ソ連軍の高級将校が国に愛想を尽かして亡命するなんて有り得ないという点だ。
ミグに乗って日本に亡命してきた将校がいたが、彼は国への忠誠を失ったわけではなく、直接の原因は結婚生活であった。
ラミウス艦長はロシア人ではなくリトアニア人で、妻を亡くし子供もいないという設定ではあるけれど、はたして軍から離反するだろうか?
仮にラミウス艦長に動機があったとしても、部下の士官全員がそれに従うとは考えにくい。
もう一つは、原子力潜水艦が撃沈あるいは圧壊したにもかかわらず、その爆発を見ていたレッド・オクトーバーから避難したソ連海軍の下士官以下の乗組員、あるいは救助した米海軍の乗員などに、放射能汚染の動揺が全く見られないところ。

それでも魅せる映画ではあるし、何度も見たいというところで僕の評価はやや加点気味。

☆☆☆☆★

ジャック・ライアン役のアレック・ボールドウィンは本作で一躍注目をされた。その後もジャック・ライアン役を演じる事になっていたらしいが、何故かこの一作のみで降板している。「ミッション・インポッシブル」シリーズなどで脇役を好演しているようだが、出演作リストを見ていたら「きかんしゃトーマス」のナレーションをやっていてビックリ。
ラミウスの副官のヴァシリー・ボロディン役のサム・ニールが渋くて格好良い。ティモシー・ダルトンとジェームズ・ボンド役を争っていた過去もあるとか。
一瞬しか出て来ないが、ライアンの妻を「新スタートレック」で医療主任士官のビバリー・クラッシャー役だったゲイツ・マクファーデンが演じている。次回作以降であれば、メインのキャストだったんだけどなぁ。

画像引用 Yahoo!映画

mugakudouji
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