電子書籍対決

電子書籍:対応端末そろい「書店事業」も 顧客争奪戦激化

 シャープとソニーは10日、電子書籍対応端末をそろって発売、小説やマンガなどの作品を配信する「電子書店事業」も始めた。5月の米アップル社の多機能端末「iPad(アイパッド)」発売をきっかけに電子書籍へのユーザーの関心は高まっており、米国に続いて日本も「電子書籍元年を迎えた」との見方もある。このため、電子書店事業には、NTTドコモやKDDIなど通信事業者や、メーカー、大日本印刷なども続々と参入。来年には米検索大手、グーグルなどの海外勢も日本で電子書籍事業を本格展開する構えで、顧客争奪戦が激化しそうだ。【弘田恭子】

 端末メーカー各社が自ら電子書店事業に乗り出したのは、自社端末専用の配信作品を増やして、ユーザーを囲い込みたいからだ。端末「ガラパゴス」(3万9800円?)を発売したシャープは、DVDレンタル最大手のTSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブと組んで配信会社「ツタヤ ガラパゴス」を設立。

 「英会話」や「子育て」の実用書から、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」などベストセラー作品も含めて2万4000冊を配信し始めた。また、決まった時間に最新の新聞や雑誌がユーザーに届く定期配信サービスでは、毎日新聞など新聞3紙や雑誌20誌以上を定期購読できる。

 年末までに配信書籍数を3万冊に拡大する予定。「ツタヤ ガラパゴス」の中村利江社長は「質、量ともに優れた作品を提供する」と利用者の囲い込みに自信を示す。

 一方、ソニーはKDDIなどと提携し、電子書籍専用端末「リーダー」(2万円前後?)向けの電子書店「リーダーストア」を展開。マイケル・サンデル米ハーバード大教授著「これからの『正義』の話をしよう」など1万数千冊を配信する。

 ソニーは04年にも日本で電子書籍端末を発売したが、読める作品が少なかったため、ユーザーが広がらず、生産打ち切りに追い込まれた”苦い経験”がある。それだけに電子書店事業に力が入る。ガラパゴス向け、リーダー向けとも配信される電子書籍の価格は紙の書籍に比べて1?3割程度安い。

 このほか、NTTドコモは自らが展開する韓国サムスン電子製端末「ギャラクシーTab」(4万円台前半?)向けに、大日本印刷と共同で来年1月から電子書籍の配信を始める予定。紀伊国屋書店も12月10日からパソコン向けに電子書籍の配信を始めた。

 ◇米国勢の攻勢に危機感
 続々と電子書店事業に参入する日本勢には、アップルをはじめとした外資の攻勢への焦りが見える。10日にパソコン向け電子書籍配信サービスを始めた、紀伊国屋書店の牛口順二営業推進本部長は「(海外勢に市場の主導権を奪われれば)書店や出版社が中抜きされかねない」と危機感を示す。

 一方、米国などと異なり、日本の電子書籍を閲覧する規格が統一されておらず、端末ごとに互換性がないことを問題視する声もある。「どの端末が生き残って購入した本を長く読み続けられるのか、利用者に疑心暗鬼を生みかねない」(牛口氏)ためで、業界には、規格統一に向けた動きも求められそうだ。

 

日本の出版社が旧態依然としたやり方を改めてこなかったことにすべての原因がある。

黒船におびえてやっと動き出した感があるが、ハードもソフトも米国にはかなわない。

規格の標準化もされていないから、今買った本と端末が末永く使える保証がない。

 

シャープの端末は悪くないが、画面が液晶という時点で幻滅だ。

バックライトを使った液晶は長時間の読書には全く向かない。

 

ソニーの端末は電子ペーパー採用だが、通信機能が全くないことが痛すぎる。PCレスで使うことができない。

 

もしもKindleがアメリカ並みのサービスで参入してくるなら、あっという間に蹴散らされることになるだろう。

mugakudouji
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