Kobayashi Maru
スター・トレックを見てきた。
結論を先に書くと、確かに面白い。
リニューアルというか、リボーンというか、リクリエイトというか、要するに原点に返った上で作り直した、と。
TNG以降の作品では、宇宙艦隊の士官は、破天荒な奴がいない。
でもカークは破天荒。
落ち着き払った艦長は格好良いが、破天荒な船長も悪くない。
むしろ、STファン以外には、破天荒な方が受けやすいかも。
この作品によって歴史の改変が行われたので、今までのスター・トレックの歴史と矛盾が生じても、今後困らないということになる。
ただ、ロミュランもバルカンも消えたままというのはちょっと。
おそらくそのあたりが、次回作以降のテーマになってくるのかも知れない。
スポック(レナード・ニモイ)の声で、最後におなじみのナレーションが入る。
そしてそこに流れるのは、宇宙大作戦のテーマ。
なかなか感動的だ。
映画としては☆☆☆★★といったところか。
さて、表題のKobayashi Maruとは、劇中に出てくる「コバヤシマル・シナリオ」内の、遭難した貨物船の名前である。
以下はWikipediaの引用。
民間の貨物船コバヤシマルがクリンゴン帝国との緩衝宙域近くで故障し、クリンゴン側へ漂流していくという想定。救難信号を受けた候補生たちは宇宙艦の指揮官および士官としてコバヤシマルを救助しなければならないが、そのためには緩衝宙域を超えクリンゴン領宙を侵犯する事となり、結果複数のクリンゴン艦からの攻撃を受け、交戦状態に突入する。
実はこのテスト、どう行動しても最後は候補生たちが負け、すなわちコバヤシマル救出に失敗の挙句、全滅を免れないシナリオになっている。絶望的な状況におかれてもいかに的確な対応がとれるかどうか、それを見極めるためのものである。
さて、カークは3回このテストを受けることになるのだが、その結果はどうであったか。
この映画、もしくは「カーンの逆襲」を見れば分かる。
このシナリオに回答は存在しない。
スポックにとっての回答は、カーンが最後の手段として起動したジェネシス装置から、エンタープライズを守るためにとった行動であった。
カークにとっての本当のコバヤシマル・シナリオは、スポックの死に直面したことであった。
既存のスター・トレックとは別の時空を歩むことになった、この映画の世界のカークが、本当のコバヤシマル・シナリオに遭遇するのは何時のことなのだろう。
スター・トレックの映画シリーズに出てくるこの「コバヤシマル・シナリオ」というのは、結構深い。
僕はまだこのような状況に遭遇したことはないが、合格できるのだろうか。