グラナダ・ホームズ

英グラナダTV製作のシャーロック・ホームズ以外に、僕としてきちんと認められる映像のホームズはほとんどない。
何作かないことはないが、映像化作品の多さとのバランスで言えばこのシリーズが一番である。

このシリーズが成功した要因は、原作のイメージを忠実に映像化したことだ。
このほかの多くの索引では原作に忠実とは言い難いものがたくさんある。
時代考証がおかしかったり、登場人物が変えられていたりする。

ただし、これも原作通りかというと、そうでもない部分は多々ある。
原作のホームズは30代そこそこくらいから、60代以上と思われるものまであるが、それをひとりの役者で再現することは不可能だから、時代が変更されていたりする。
本来モリアーティとは無関係の事件で、彼が出演していたりする。
また、キャストの都合によって内容が変わってしまった作品もある。

だが、少なくともこの作品はホームズという希代の変人と、それを支えたごく普通の人としてのワトスンの人物像を外していない。
特にワトスンに関しては、多くの作品であからさまな間抜けとして描かれているが、このシリーズでは天才ホームズの友人にふさわしい実直な人物として描かれている。

NHKで露口茂の吹き替えでやっていたのを最初に見たのはいつだっただろうか。
僕がただのホームズ好きからシャーロッキアンになった一つのきっかけになっていると思う。

社会人になってからの最初の大きな買い物は『明治期シャーロック・ホームズ翻訳集成』とこのシリーズのDVDボックスだった。

ボックスで2つって言うのはなかなかいい金額だったけど、それだけのお金を出す価値があると思った。

その後、何度かDVDボックスは出し直され、そのたびに特典や音声が変わった。

吹き替え陣はジェレミー・ブレット(ホームズ)は露口茂、デビット・バーク(第1・2シリーズのワトスン)は長門裕行、エドワード・ハードウィック(第3シリーズ以降のワトスン)は福田豊土である。
ただし、NHK放送版は時間枠にあわせて尺が短く編集されており、残念ながら上記のキャストが吹き替えたのはこの部分だけ。
最初のボックスでは吹き替えのないところは字幕に差し替え、その後の再発売のボックスからは吹き替えのない部分は違う人で吹き替えているという不親切さ。
せめてそっくりさんで吹き替えてもらいたかった。

何度か再発売されたものの、映像だけは変わらなかった。

きれいなら変わらなくて良いのだが元の映像がかなり荒くて、「リマスタリングしてくれないかな」と思っていたところ、宝島社からDVDをつけたムックで4話分が発売された。

シャーロック・ホームス゛の冒険 DVD BOOK vol.1 (宝島MOOK)
販売元：宝島社
発売日：2009-02-21
おすすめ度：
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 シャーロック・ホームス゛の冒険 DVD BOOK vol.2 (宝島MOOK)
販売元：宝島社
発売日：2009-02-21
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デジタルリマスタとはいえさすがにHD画質とは言いにくいが、ノイズもほとんどなくすばらしい仕上がり。
ところが、vol.3以降の発売は未定だという。