タレント教授

タレント教授 意外な面々
 受験生はそろそろ志望大学を絞り込むころ。近ごろの学生は、伝統や校風よりも“個性”すなわち特色で選ぶらしい。大学側は受験生を集めるため、各分野の著名人ら“タレント教授”招へいに熱を上げている。5億円詐欺容疑で逮捕された音楽プロデューサーの小室哲哉容疑者(49)は悪いお手本になってしまったが、小難しい授業よりも一線で活躍する有名人の話のほうがよっぽどためになるし、なによりもオモシロい。各大学にその効果を聞いた。
 国立の東京海洋大学(東京都港区)で2006年10月から客員准教授に招かれ、学生らに思う存分、魚の魅力などについて語るのは人気タレントのさかなクン (年齢不詳)だ。魚のぬいぐるみのかぶり物や独特のしゃべり方が奇人を思わせるが、水産庁委員を務めるなど魚介類や水産業の知識は“ギョギョッ”とするほど高い。
 同大の広報担当は「授業は持っていませんが、イベントやシンポジウムなどで講演してもらっています。おもしろおかしく、子供にも分かりやすい話術はピカイチ。海洋科学部の品川キャンパスは、学生約1200人中500人が女子学生ですから、さかなクンが来たらキャーキャー大はしゃぎです」と人気者ぶりを明かす。今月初旬の文化祭「海鷹祭」では、「海と環境について」と題して講演。学内にとどまらず、海の素晴らしさや大切さをアピールする“ 広告塔”の役割を担っているようだ。
 先日、引退発表したシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん(36)は、母校の大阪学院大学 (大阪府吹田市)で06年11月から特任教授。毎年、入学式には足を運んで祝辞を述べている。「貴重な経験に基づいて『頑張れば輝ける』などと励ましてくれるので、新入生は感銘を受ける。国民栄誉賞をとられた方がOBにいるのは本学の誇り。学生からサイン責めにあったりしますが、どちらかというと保護者のほうが盛り上がっていますね」(広報)。来年10月までの任期中、講演をもう一度お願いすることを検討しているという。
 国学院大学(東京都渋谷区)では、女優浅野温子さん(47)や歌手さだまさしさん(56)ら著名人6人が客員教授に就任している。浅野さんは同大学に専門コースがある神学を熱心に研究中。さださんは同大法学部中退とそれぞれ縁がある。
 広島国際学院大学(広島県広島市)は今年4月、タレントのガッツ石松さん(59)と川島なお美さん(47)を現代社会学部の客員教授に任命。打ち合わせ段階からすごい熱の入れようで、ガッツさんは「人生論」、川島さんは「恋愛論」をテーマに講義したいと逆提案するほど。年2回の特別授業では、ガッツさんは学生を壇上に呼んで「よし、打ってこい!」と即興でシャドーボクシング。川島さんは事前に学生の悩みをリサーチするなど、一貫してまじめに取り組んでいる。川島さんの姿勢に学生も感化され、ふざけるようなことはないという。
 「著名人を客員教授に迎えたことは、受験生争奪戦と短絡的に取られがちです。しかし、学生を集めるのはそんなに簡単なことじゃない。ローカルな大学ですから、ナショナルレベルの著名人と触れ合うことで、在校生の活発化をはかりたかった。効果は十分ありました」(担当准教授)
 旭川大学(北海道旭川市)は今春、縁あってキャンパスを訪れたことのあるスピリチュアルアドバイザーの江原啓之さん(43)を客員教授に招こうとしたが、本人が辞退。新設の保健福祉学部で生命についての講義をしてもらう予定だったという。
 城西国際大学(千葉県東金市)では、地元プロ野球球団の千葉ロッテマリーンズのボビー・バレンタイン監督(58)が06年4月から客員教授を務めている。きょう8日夕には幕張キャンパスで公開授業「これからの野球界を考える」を開催。同大客員教授はほかに市立銚子高出身で元オリックス監督の石毛宏典さん (52)、落語家の林家正蔵さん(45)も名前を連ねる。「歴史はまだ浅いのですが、大学の知名度アップにつながりました。運動、文化両分野から客員教授を招き、文武両道を広くアピールできたと思います。数字的に際立ったものはありませんが、西日本からも学生が集まるようになったのはうれしいですね」(広報担当)
 いまや大学教授も“メジャー”隆盛なのだ。
○小室哲哉容疑者も「新世紀音楽概論」を指導
 尚美学園大学(埼玉県川越市)は、特任教授に招いた音楽プロデューサーの小室哲哉容疑者(49)が5億円詐欺容疑で逮捕されたことで、とんだとばっちりを受けている。
 小室容疑者は昨年4月から芸術情報学部音楽表現学科で「新世紀音楽概論」を担当。月2回程度の講義は学生の出席率が高く、大学説明会でピアノを一曲弾く場面もあった。音楽専門学校として設立されたため、小室容疑者就任前は作曲家の冨田勲氏(76)が専任教授を務めるなど音楽業界のトップを招く流れをつくっていた。同容疑者の講義は今年度は休講。起訴段階で解任される見込み。
 広報担当は「逮捕は想定外でした。小室さんにはいい流れを引き継いでもらいたかったのに…。正直に言うと、小室さんの影響で受験者数が爆発的に増えたわけでもないし、一時代を築いた音楽家でも、いまの学生にはピークは過ぎていたのかもしれない。クラシック専攻の学生もいますしね」と恨み節も。
 ほかにダンサーのSAMさん(46)が客員教授を務めており、ダンスの実技指導科目「パフォーミングアーツ」を集中的に受け持つ。

ま、悪くはないだろうね、タレント教授も。
但しそれは内容によりけり。
音楽関係なら小室は悪くないだろうし、さかなクンも見たところ専門性は高い。
でもね、大学は人生論とか恋愛論を学びに行くところじゃないの。
大学は、学問をするところである。
それも、誰かに教えて貰うのじゃなくて、自分で研究するところなんだよ。

mugakudouji
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