読書つれづれ2 快適な読書環境

 快適な読書環境とは、つまり人間の過ごしやすい環境のことである。特に日本の夏は蒸し暑く、読書をする環境とは言い難い。
 この蒸し暑さをあらわす体感温度の指数に、「不快指数」というものがある。現在は「湿温指数」と呼ばれるが、これが70をこえると不快を感じる人が出はじめ、75をこえると半数以上が不快を感じ、80をこえるとほとんどの人が不快を感じるという。人の不快さは、他にも風速や光のあたり具合にもよるし、個人差があるので、必ずしも不快指数が体感と一致するわけではないが、それでも70未満であればほぼ快適な読書環境といえるだろう。
・不快指数 気温をT(℃)、露点温度をt(℃)とするとき、 不快指数は 0.99T+0.36t+41.5 であらわされる。
初出「探書手帳4」(1996/03)読書つれづれ2


とはいえ、実際のところは不快指数に無関係に、良い、あるいは悪い環境がある。
例えば電車の中。あれだけ騒音にあふれて、しかも揺れた場所での読書なんて最悪だと思うが、実際に読んでみると意外に不快ではない。それどころか、読書に夢中になりすぎて乗り過ごしてしまったことさえある。
風呂の中というのも指数的には不快極まりないはずだが、『シャーロック・ホームズ作品集』なんか読んでいたら、やはり時間を忘れてしまった。
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mugakudouji
「読書つれづれ」

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