蒐書狂の蔵書整理計画 その2
トイレの中まで本を置き、ダンボールも交換し、と物理的な面はこれからも努力していけば、後数年は何とかなりそうである。
それよりも深刻なのは、管理の限界を迎えている点だ。
書架に順序良く収めている本は、管理上比較的問題が少ない。
書架は普通は一覧性に優れているから、よほど広い家にたくさんの書架があるのでもない限り、行方不明になることは少ない。
前回のダンボールのように書架以外の保管場所が増え、しかも視認しにくいとなると、問題が出てくる。
本が行方不明になるのだ。
あるコミックスの愛蔵版を探すとなると、まずは本棚を見渡し、なければ山積みの段ボール箱を開けていくことになる。
で、ここにないと実家の押入れの中にある、ということになるのだが、実際に探しに行くと見つからなかったりする。
で、別の本を探しているときに、ダンボールの山の中から見つけるのだ。たぶん前回探したときに開け忘れた箱なのだろう。
ついに探すのが面倒になって新たに買ってしまうこともある。
またたくさんの蔵書があると、書店で好きな本を見つけたとき、持っているのか持っていないのかすぐに分からない。
で、面倒なのでやはり買ってしまう。
なんとも恐ろしい話である。
ということで、管理体制の改善が急務なのだ。
それにはデータベース化が一番だろう。
しかしながら、ここにも忘れてはならない点がある。
実は10年ほど前まで、パソコン上でデータベース化して管理していたということだ。
なぜこれが途中で更新されなくなったかというと、要は面倒だったからだ。
題名から何から、全部手入力である。
それなのに必要以上の入力項目があった。
「書名」「書名よみ」「著者名1」「著者名1よみ」「著者名2」「著者名2よみ」「出版社名」「出版社名よみ」「シリーズ名」「巻数」「判型」「初版発行日」「発行日」「購入日」「購入書店」「分類1」「分類2」「保管場所」「貸出先」etc…
その上、リレーショナルデータベースでの設計だったから、本のデータベースとは別に、著者名データベース、出版社データベース、そのほか色々なデータベースが別個にあった。
初期入力でさえ面倒なのに、管理上の入力も面倒であった。
書架に、あるシリーズの新しい巻が加わった場合、普通は右に、そして下に本がスライドしていく。
その際、違う棚にスライドしていた本は、すべてデータベース上の保管場所を変更しなければならない。
月に50冊本が加わるとして、これらの本が加わったことによって更新しなければならない本も間違いなく50冊以上。
とんでもない作業が発生するわけだ。
今考えたら、こんなもの頓挫して当然だ。
よく更新作業をやっていたものだと、いまさらながらに感心した。
この項続く