白内障手術

このエントリーには医療的なことが記載されているけれど、僕は医者でも医療関係者でもなく、単なる個人的な経験とその感想なので、もし目に問題を抱えていると考えている人はきちんと医療機関に行って、医師の診察を受けてください。

Twitterではほぼリアルタイムに書いたのだけれど、僕は白内障を患っていた。

振り返ると、三十代半ば以降、とても目の調子が悪かった。
いや、実のところ生まれてこの方、目の調子が良かったことなどなかった。
元々視力が悪くて、小学校では黒板が見えにくくて席は常に前方。
3年生でメガネをかけ始める。
両目とも悪いのだが、その中でも常に右目の方がより視力が低くて、いわゆる「ガチャ目」というやつ。

左目の近視はある時から進行しなくなったが、右目は徐々に悪化。
三十代に入ると特に顕著で、肩こりや頭痛は慢性的。
三十代半ばに入ると限界に近づき、三十代最後の年にたまたま結膜炎になってかかった、近所のショッピングモールにある眼科で、「老眼ですよ」と言われた。

ガチャ目の程度が酷くなりメガネが合わせにくくなったから、格安メガネをやめてちょっとお高い(でも昔はどこもそんな値段だったよね)メガネ屋でメガネを作ったら、凄く楽になった。

翌年、再び結膜炎になったので同じ眼科にかかって投薬し完治。
ところがその数日後に反対の目が再び結膜炎に。
伝染性を知らされていなかったので不信感がめばえ、最寄駅の前にある別の眼科にかかると、結膜炎の診断とともに「右目は白内障ですよ」という衝撃の事実を告げられる。
少し前にショッピングモール内の眼科で両目を診て貰っていたにもかかわらず。。。
医師に前にかかった眼科の名前を聞かれたので正直に答えると、表情が曇ったので、鈍い僕でも全てを悟る。
分かってはいたんだけど、コンタクトレンズを売る店の近くにある眼科って、「コンタクトレンズの処方箋を出すためにコンタクトレンズ屋が作った眼科」であることがほとんどなんだよな。
医師免許ってのは眼科だの内科だのっていう区別はない。
多分、視能訓練士による測定結果を使って、医師の名前で処方箋出しているだけなんだよね。
つまり、眼科が専門ではない医師が。。。

最初になぜその医者に行ったかというと、ネットで調べてまともだと判断したことと、近所にはそこ以外に眼科がなかった(駅前の眼科は開業していなかった)から。
最初に診てくれた人は専門医だったようだ。
その後、人事異動なのか知らんが医師が変わったというわけ。

知人に「白内障ってどう見えるの?」って聞かれたので画像を作成した。
左が僕の正常な左目で見ている画像だとすると、右目では右のように見えていた。
黄みがかった磨りガラスみたい。
実際には、外周部はややクリアで中心部ほど酷かったんだけど。

駅前の眼科では、白内障は初期段階だったので経過を見ましょうということになった。
白内障は死ぬような病気ではなく、本人が気にしなければ手術する必要はない。

昨年、頭痛やら肩こりやらが更に酷くなる。
しかし、コロナ禍で手術したくないということもあり保留に。
今年に入ってさすがに限界になり、9月に眼科へ。
かなり進んでいて、これ以上遅らせると日帰り手術は難しくなると言うことで、最短で手術することにして貰う。

手術までに何度も通院するので、その時にしつこく色々聞く。

ここ数年歯医者に通っているのだが、保険外診療をすすめられることがとても多い。
しかも保険外診療を受諾すると、普通の診察室から個室に移されるとか。。。
インプラントに関してはブリッジでの治療が嫌で入れたし、昨年あずきバーで前歯を折った時も、保険診療で完全に抜いて再建するよりも、残ったものを生かして保険外診療で再建した。基本的に、健康なものに負担を掛けない、あるいは残ったものを生かすという治療を選択した結果、それが保険外だったというわけだ。

白内障治療にも保険外のものがあるので聞いてみた。
代表的なものは、「多焦点レンズ」だ。
保険診療で使われる人工レンズは「単焦点レンズ」である。

白内障とは、水晶体が濁って見えにくくなる病気である。
白内障手術はその濁った水晶体の大部分を除去して、人工のレンズに入れ替えるものだ。

水晶体は通常厚みを増したり薄くなったりして、遠距離にも近距離にも焦点が合うようになる。
これを単焦点レンズに入れ替えると言うことは、焦点距離がレンズの設計の位置に固定されることになる。
人工のレンズは厚みが変わったりしないので、当然のこと。

多焦点レンズはこの人工レンズに多数のポイントを設け、同じ視線上で沢山の位置に焦点があうようにしたものである。
手術としては人工レンズが違うだけだが、複雑な構造のレンズであることと、保険外と言うことで高額になる。

僕は両目共に老眼であり、左目は白内障ではなく今回は手術しない。
老眼は、老化により水晶体が硬くなり、焦点が固定化されること。それで多くの人は近距離に焦点が合わなくなる。
単焦点レンズにすると言うことは即ち老眼と同じ状況になると言うことだ。
既に老眼の左側に状態を合わせることにすると、多焦点レンズにする意味はない。
また、元々極度の近視で日常的にメガネでの生活なので、今回の手術によって変わるのはメガネのレンズの種類だけで、新たにメガネ生活が始まるわけではない。
ということで、多焦点レンズは今回の僕のニーズには合わないと判断した。
近視でも老眼でもなく、メガネ生活をしていない若い人であれば、多焦点レンズはメリットがあるように思う。

白内障手術は目に小さな穴を開け、レーザーで白濁した水晶体を粉々にし、それを開けた穴から吸い出し、丸めた人工レンズを穴から挿入し、残された水晶体の膜の中でレンズが開き、所定の位置に納まれば終わり。

一番怖いのは、傷口からの感染症である。
この為手術の数日前から消毒のための点眼をはじめ、手術後は翌日までごつい眼帯をし、当日は入浴できず、洗髪は一週間ほど出来ない。
点眼は約三ヶ月続く。
僕の場合、傷口は一週間後の診察で塞がっていることを確認。
手術の前日に散髪し、手術翌日から入浴はしたものの洗髪は出来ず。
三日目くらいから水の要らないシャンプーを使って、一週間をなんとか乗り切る。

手術中、見えているかと言えば、見えている。
顕微鏡を使った細かい手術だからそのものは見えないが、人影もライトも見えている。
水晶体を壊した瞬間、像が砕けて万華鏡のようになる。
翌日の診察で眼帯を外して最初に思ったのは、とにかく明るいと言うこと。
外に出て空をみると、台風一過と言うこともありとても空が青い。
ここ数年、僕が見ていた世界は黄色く染まっていたんだなぁと実感した。
同時に、正常だと思っていた左目の視界が、やや黄みがかっていることにも気付く。
老化って嫌だねぇ。。。

視力は手術直後は出過ぎていて、段々落ち着いてくる関係で、メガネは一月たってから作るのがおすすめなんだけど、合わないメガネを一月使うというのも、かなりしんどい。
なので、捨てるつもりで格安メガネを作るというのはアリかも。
視力は変動するので、そういった事情に対応したメガネ屋さんで作るのが良い。
僕はメガネのキクチで作った。ここなら、術後3ヶ月以内で処方箋に基づいて作ったメガネに限り再作成可能。

かかったお金は、メガネを除いて手術代やら診療費やらで6万円程度。これは医療保険でカバーしておつりが出る程度だった。
もっとも、メガネにそのおつり以上のお金がかかっているので、トータルとしては赤字。
格安メガネなら保険でカバーできた。

総じて、手術して良かったと思う。
もっと早く手術すれば良かった。
そうすれば、目から来る疲れなどで苦労する時間がもっと短く済んだ。
経過を見守っていないでさっさとやれば良かったと思う。

mugakudouji
私事

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です