すばらしき映画音楽たち
2017年公開の映画。
映画音楽にスポットを当てたドキュメンタリー映画。
僕の持論なんだけど、名作映画の音楽は例外なく素晴らしい。駄作映画にも素晴らしい映画音楽がついていることもある。
僕は映画音楽が大好きで、最初に買ったCDはBTTFのサントラであったほど。
資料映像とインタビューで映画音楽の歴史・映画音楽の作り方・映画音楽とは何かが語られていて、非常にオーソドックスな造りのドキュメンタリー。
かなりの数の作品が扱われているのだが、非常に感心したのが「サイコ」の有名なシャワーのシーン。
シャワーを浴びている女性が襲われて殺害される場面で、バイオリンをかき鳴らす甲高くて聴き触りの悪い音楽が流れ大変緊張感のある場面なのだが、音楽の無い無音の映像を見ると、非常に安い作り物のシーンで、全く怖くない。
この落差に、音楽のパワーを思い知らされる。
音楽単体では良い音楽とは言いがたいかもしれない。しかし、映像と一体になることによってとんでもない爆発力が出る。
音楽の作り方、あて方というのも大変興味深い。
主軸となるメロディーを作って、それを膨らませる形で色々なシーンに盛り込み、クライマックスでドーンと流す。
すでにそのメロディーに耳が慣れたいるので、違和感なくそして色々な物を感じさせる。
本作でジェームズ・ボンド映画について少しだけ触れられていたが、そこを離れて私の感想を。
ダニエル・クレイグ版の「カジノ・ロワイヤル」はリブート版で、彼が真の意味で007になる物語。
その為、あの有名な「ジェームズ・ボンドのテーマ」が冒頭に流れない。
ある瞬間に流れる訳だが、それで彼が007になったことが分かる。
そしてそれ以降は冒頭で流れるし、同じメロディーは007が活躍するシーンでもまた流れる。
またこれは映画音楽ではないが、Amazon Prime Videoで配信されている「スター・トレック ピカード」の第3話で、ピカード提督が船とクルーを調達して発進した瞬間に、テーマ音楽が流れる。
トレッキーにはたまらない演出なわけだが、こういった所でも音楽の力を感じる。
あまりにも情報量が多すぎて目と耳が追い切れないし、また観ていない作品も多々紹介されていた。
これは改めて観てみたい秀逸なドキュメンタリーだ。
☆☆☆☆★
画像引用元 映画.com