Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」は2016年3月の公開直後に見た。

通常、ホームズは史上希に見る天才で、そして作品によってはかなりの変人として描かれる。
文句のつけようのない名探偵、と言うわけだ。

しかしここに出てくるホームズは、昔ボクシングで鍛えた体も自由にならず、記憶力も衰え同居している人の名前も忘れてしまう93歳の老人。
ワトスンは既に亡くなり、ハドスン夫人もレストレードも出て来ない。
モリアーティのような強大なライバルもいない。
ただそこにあるのは、サセックスの海岸にある住まいとミツバチだけ。

この物語は、30年前にホームズが引退するに至った最後の事件の失敗と、日本への旅行、そしてサセックスでの養蜂生活からなっている。

見所は家政婦マンロー夫人の12歳の息子ロジャーとホームズの交流だ。
彼は全盛期のホームズを知らない。
しかし、利口な彼は今目の前にいるホームズが、非凡な才能を持った人物であったことを自分なりにさとり、そして尊敬している。
ホームズも彼の素質を認め、あたかも孫のようにかわいがる。

ロジャーはホームズが書いていた最後の事件の手記を密かに読んでいた。
それに気づいたホームズは、続きを書いて彼に感想を求める。

手記を完成させたホームズはロジャーに読んで貰おうとする。
しかしその時、ロジャーはハチに襲われて意識不明となっていた。。。

おもしろいのは日本の描写だ。
2015年の映画なのに、あまりにも酷い。
真田広之演じる梅崎と日本で会うのだが、駅も料理屋も日本に見えない。
広島に行って山椒をとってくるのだが、産業奨励館が見えるところで焼けた木ばかりが立っている。そんなところに山椒が?
それに、原爆投下から2年も経ってこんな場所があった?

このホームズ譚は、ホームズが過去の記憶を思い出して最後の事件が解決まで導かれる。
その結末と、ホームズの老化と、家政婦親子との関係性が、悲しいようでいて実は明るい結末をたぐり寄せる。
この不思議な感覚はなんだろう?
☆☆☆☆★

画像引用元 映画.com

mugakudouji
ホームズ/ドイル映画・音楽・TV評価付記事

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