シャーロック・ホームズ シャドウゲーム
面倒だったので書かなかったが、ネタもないし前作の感想を書いて今作のを書かないというのもバランスが悪いので書いておこう。
★★★★★
結論。
これは駄作で時間と金の無駄。
それだけだとあんまりなので、僕がそう思った理由を書こう。
前作同様、ホームズとワトスンのキャラは良い。
ロバート・ダウニー・ジュニアとジュード・ロウはやはり良い役者だ。
このコンビの掛け合いはよく出来ている。
それなのに、ほかのキャラクターは存在意義がわからない。
アイリーンに至っては、なんのために出てきたのかすらわからない。
ジプシーの兄妹も印象が薄い。
特に映画を見終わってから時間がたった今では、ほぼ忘れかけていると言っても過言ではない。
この映画の評判は、僕には思いもよらないことだが、かなり良いようだ。
「アクションがおもしろかった」とか、そういうコメントが多い。
さて、僕はこのブログではシャーロッキアンと名乗っているが、トレッキーでもあり、そしてボンドファンでもある。
そういう立場から言わせていただくと、この映画のアクションはアクションでも何でも無い、ただのCGだ。
実際に行われないアクションなど、迫力などあるわけがない。
ほぼ実写でアクションを行う007シリーズに比べたら、屁みたいなもんだ。
それでいてまともな推理など行われるようなことはなく、ミステリーとしても成立していない。
魅力ある悪役は映画には重要なものだが、せっかくモリアーティ教授という大物を出してきたのに生かしきれていない。
前作のブラックウッド卿に比べればいくらかましのような気はするけれど。
このモリアーティ教授やブラックウッド卿を見ていると思い出すのは初期の頃の007の敵たちだ。
たいていの場合は誇大妄想狂で、世界そのものや世界経済を支配したがっている。
彼らとうり二つではないか。
モリアーティは犯罪界のナポレオンのはずだが、この映画の彼は小説版007シリーズ最大の敵であるスペクターの首領エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドに比べたら小物過ぎる。
はっきり言えば、前作も含めこの映画はボンド映画の劣化版コピーで、その上にイメージを裏切るアレンジをした有名なキャラたちを乗っけたものに過ぎない。
脚本は不出来だし不要なシーンも多すぎてストーリーがすんなりと頭に入ってこない。
前作について書いたときに次回作についての期待を少しだけ書いたが、見事に裏切られた。
よく考えたら当たり前のことで、何十作と続く映画は別として、数作程度しか続かないシリーズでは第1作が一番おもしろく、それ以降は第1作を超えることはない。
つまり、第1作をおもしろいと感じなかったわけだから、今作は見るべきではなかったのだ。
ということで、仮に第3作があっても映画館には行かないだろう。
どうせブルーレイなどで出た場合、シャーロック・ホームズものコレクターとして、唾棄すべき駄作であっても買うのだから。
実際、前作のBDは買って映像特典だけは見たが、本編は見ていない。