本の効用

愛書家(読書家ではない)としての僕が常々言い続けていることは、文庫本は本ではないと言うことだ。
文庫本とは単にA6判の書籍という意味ではなく、一般通念上の叢書としての文庫本のことである。
そしてその場合の本とは、内容・挿絵・装丁まで含めた芸術作品のことを指す。
別の言い方をすれば、豪華本といったところか。
天金革装なんかいいじゃないか。

さて、そんなことを書くと多くの愛書家の人から怒られるかもしれない。
当然、本のコレクターとしての私は文庫本も集めているわけで実際には完全な愛書家にはなりきれていない。

本をよく読む人には、文庫本はかなり愛されているようだ。
それらの人は、文庫本について安価で省スペースそして外で読みやすいという効用をあげていることが多い。

本の本質とは何か。
それは中身、コンテンツであって、器のことではない。
そういう意味ではハードカバーであれソフトカバーであれ、単行本・文庫本であっても、本であることに違いは無い。
古典には紙を綴じたような現代の本という形式を取っていない物があるが、それでも名著には違いない。
本当に重要なのは中身なのであって、その器がどんなものであるかは関係が無い。
人間にとって利便性の高い器でさえあれば、何も問われることはない。

私は電子書籍リーダーやタブレット端末を購入して以来、紙の本を買う件数は間違いなく減った。
それは、今のところ互換性や永続性にリスクがつきまとうとはいえ、それを補ってあまりある利便性が、電子書籍にはあるからだ。

本の本質という物を真剣に考えないで、電子書籍に対して否定的な作家や評論家について、私は非常に強い嫌悪感を覚える。
文章を書いて生活の糧を得ているのなら、自炊も含めた電子書籍という物に対して、もっと真剣に取り組む必要があると思う。

無學童子
電子書籍

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