差別無き公平な世界とは

保育士採用試験:全盲女性「受験させて」 大阪市が門前払い

 大阪市の昨年度の保育士採用試験で、受験資格を満たしている全盲の女性が点字での受験を認められず、門前払いされていたことが、関係者への取材で7日分かった。同市こども青少年局は「特別の配慮はできない」と説明するが、識者から疑問の声が上がっている。女性は国家資格の保育士資格を持ち、私立保育園で8年にわたる実務経験もある。女性は「今秋の試験に挑戦したい。障害を理由に、受験さえ認められないのは納得できない」と訴えている。【遠藤哲也】

 大阪市在住の小山田(おやまだ)みきさん(31)。未熟児網膜症のため全盲になった。幼稚園での楽しい思い出が心に残り、保育士を目指して、京都市の華頂短大幼児教育学科に進学。01年、保育士資格を取得した。小山田さん以外に、全盲の保育士は「聞いたことがない」(厚生労働省)という。同年9月から、大阪市天王寺区の私立「四天王寺夕陽丘保育園」に勤務しているが、契約職員のため、公営保育所を目指すことにした。

 大阪市の昨年度の保育士採用試験(短大卒程度)の受験資格は、74?89年生まれの保育士資格を持つ(見込みを含む)者。条件を満たしている小山田さんは昨年9月、市に点字受験について問い合わせたところ、「視覚障害者が働く職場は確保されていない」などと受験を断られたという。

 市長あてに点字受験を求める嘆願書も提出したが認められず、同市は「視覚障害のある保育士が保育業務に従事するにあたって、どんな課題があるか整理していく」(こども青少年局)と回答した。

 小山田さんは1年待って今年6月、今秋の受験について同市に尋ねたが、同局は「試験は競争なので、働く条件が同じなのが前提。一部の人を特別扱いできず、点字受験の導入は考えていない」と回答し、受験すらできない状態は変わっていない。

 ◇園児、においや仕草で判別
 小山田さんが勤める大阪市天王寺区の四天王寺夕陽丘保育園。「見て、見て。新しい本持ってきたよ。お話、始まるよ」。小山田さんがよく通る声で呼び掛けると、園児たちが集まってきた。エプロン姿の小山田さんが、点字の透明シールを張った絵本を右手の指先でなぞりながら朗読を始めると、園児たちは食い入るように聴き入った。

 同保育園に勤めて8年目。複数担任制で同僚5人と役割分担し、30人の2歳児の心と体を育てる毎日だ。

 小山田さんは見えない分、会話を多くするように心掛けている。砂場の近くでお漏らしをした男児もいたが、小山田さんがトイレまで連れて行き、シャワーでお尻を洗って着替えを手伝った。

 動き回り、予期せぬ行動もする幼児。小山田さんは、子どもの声や手、髪形はもちろん、しがみついてくる仕草や服に着いているにおいなどで一人一人を判別している。

 同僚の保育士、森山佳代さん(41)は「園児の着替えでも服の着心地が悪くないかなど、一つ一つの動作が丁寧です」と話す。保護者からの不安の声も特にないという。小山田さんは「(大阪市は)私の実際の仕事ぶりを見ることもなく、全盲者は何もできないという机上の空論で判断されているように感じる」と話している。

 

難しい問題だね。
ただ、公平さの観点から言うと、受験はできても良いと思う。
点字受験が特別扱いになるという見解は、障害者差別といわれても仕方ない。

こういうのって、社会がどれだけ成熟しているかを示す指標になる。
こういったことに寛容な社会は、それだけ成熟している。

僕は、障害者に対して寛容な世の中は、住みよい世の中だと思う。

ただ、障害者に対して気を遣うなんてことはごめんだ。
僕の中では、障害者だろうと健常者だろうと、同じ人間として敬意を持って接することにしている。

小山田さんに特に同情する気はない。
市が障害者を雇用したくないのもわからなくはない。
目が見えなくては保育士はつとまらないとする意見も理解はできる。

でも、受験資格を満たしているのにそうさせないことは公平の観点から問題だと思う。
点字で受験させることは特別扱いとは思えず、むしろ当然の権利の行使だとすら思える。

視覚がないことによって、園児の予想外の行動に対処できず、危険を回避できないという意見は、もっともだと思う。
だが、幼いうちに身近にに障害者がいる環境は、教育的観点から見れば、得がいたい良いこととも思えるのだ。

障害者を雇いたくないのならば、条件に明確に示すべきなのだ。

そもそも、国家資格を持っているのだから、国家から「保育士の仕事が十分に勤まる」と認定されている。
それが受験すらできないのは、著しく腑に落ちない。

その上で、障害を理由に選考で落とすのは仕方ないことだとは思う。

mugakudouji
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