無意味草子 その5

望みは叶わず
 ある時、ある所に、歌手志望の素晴らしく歌の上手い女がいた。しかし地上に生きるのは彼女一人だけだったので、歌手にはなれなかった。
教訓 地下にも人間が生きていなければね
裁き
 ある時、ある所に、二人の悪者がいた。二人とも死んで閻魔大王の裁判にかけられ地獄行が決まった。一人がいわく「なぜ俺があいつと同じなんだ! 向こうは100人も殺したが、俺ははたった10人なんだぞ!」
教訓 どっちもどっち
究極の選択
 ある時、ある所に、意地悪な神様がいた。神様がある悪者に、「おまえに残された道は二つある。一つはこの場ですぐ死ぬ道、もう一つは一生苦しむ道、さあ、どちらを選ぶかね」。男いわく、「そうさね、選ぶ前にまずおまえさんを殺してしまおうか」といって、銃で神様を殺してしまった。
教訓 人じゃないから殺人にはならないな
マンネリズム
 ある時、ある所に、馬鹿がいた。「ある所」は「大馬鹿の世界」だったので、彼は天才と呼ばれた。
教訓 良くある話だ
無意味草子
 いま、ここに、無意味草子を書く男がいる。彼はいろいろにおかしな人物を創作したが、その源は彼の頭である。ようするに一番おかしいのは彼自身であった。
教訓 ネタ切れは全てに勝る
第一期 完
本日のお買い物
200 Original Deutsche Tonfilmschlager
昔のドイツ映画の音楽集。3枚目の12曲目に”DER MANN DER SHERLOCK HOLMES WAR”(1937)の主題歌を収録。
Sherlock Holmes Suite
増田彰久『西洋館を楽しむ』

mugakudouji
「無意味草子」

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