空母いぶき

2019年の日本映画。

☆★★★★

かわぐちかいじ氏の原作はそれなりに面白い。
でたらめな部分も結構あるけど、そこはフィクションとして笑い飛ばせるレベル。
でもね、話題になった佐藤浩市のインタビューとは無関係に、駄作。

原作の唯一と言って良いほどの肝は、敵国が中国だと言うこと。
中国であるが故にリアリティーがあって緊張感がある作品なのだが、東亜連邦とかいう謎の新興国家にしてしまった時点で、それが全部すっ飛んでしまった。
空母を持てる国なんて現実には限られた大国だけなのに、新興国が持っているとか、アホかと。

リアリティーを捨ててもストーリーが面白ければ良いのだが、いぶきに乗艦したジャーナリストに焦点を当ててしまったことで主題がブレたように感じるし、日本の安全保障体制に対する警鐘にもなっていない。精緻なシミュレーションでもなく、観る意味が全くない。

唯一観るべき所があるとすれば、日本映画界の現状が窺えるという点だ。
中国に配慮したと言うことが、それを感じさせる。

画像引用元 映画.com

mugakudouji
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