海の日によせて

今日は「海の日」。

日本がアジアの中で随一の早さで近代化できたのは、島国がはぐくんできた日本人の精神性に依るところが大きいと思う。

周りを海に囲まれ、大陸からの侵略の脅威は海に隔てられたにもかかわらず、最新の文物は海を渡ってやってきた。

海はわれわれを守ってくれたと同時に、交易によって繁栄させてくれた。

日本の国土は小さいといわれるが、領海と排他的経済水域を合わせた大きさは世界で六位になるという。

漁業資源はもちろん、近年では鉱物資源が多く眠っていると言う事がわかってきている。

海は我が国の国力の元なのに、それをしっかり守っていこうという気概が見られないのが残念だ。

現に、日本船舶警備特別措置法案は野党の身勝手な国会運営で廃案になってしまった。

これは、海賊多発地域において日本の船舶に武装警備員を同乗させる事を認めるという大切な法律だった。

今時この程度の事を認められないのは日本ぐらいのものだ。

中国は尖閣諸島沖という我が国の領海に度々不法に侵入しているが、これを排除出来ないのも国内法の不備だ。

海洋国家が海洋国家として成立するためには、きちんとした法体系と実力を保持し、それをいつでも行使できるようにしておかなければならない。

それが、領土・領海保全の抑止力になるのだ。

最後に、文部省唱歌の「われは海の子」を引用しよう。

残念ながら現代の教科書では4番以降は削除されているが、むしろ削除された方に大切な歌詞があるように思える。

特に7番は、海洋国家に生きるものの気概を歌っている。

われは海の子

 文部省唱歌 作詞 宮原 晃一郎

我は海の子白浪(しらなみ)の
さわぐいそべの松原に、
煙(けむり)たなびくとまやこそ
我がなつかしき住家(すみか)なれ。

生れてしおに浴(ゆあみ)して
浪(なみ)を子守の歌と聞き、
千里(せんり)寄せくる海の気(き)を
吸(す)いてわらべとなりにけり。

高く鼻つくいその香(か)に
不断(ふだん)の花のかおりあり。
なぎさの松に吹く風を
いみじき楽(がく)と我は聞く。

丈余(じょうよ)のろかい操(あやつ)りて
行手(ゆくて)定めぬ浪まくら、
百尋(ももひろ)千尋(ちひろ)の海の底
遊びなれたる庭広し。

幾年(いくとせ)ここにきたえたる
鉄より堅(かた)きかいなあり。
吹く塩風(しおかぜ)に黒みたる
はだは赤銅(しゃくどう)さながらに。

浪にただよう氷山(ひょうざん)も
来(きた)らば来(きた)れ恐れんや。
海まき上(あ)ぐるたつまきも
起(おこ)らば起れ驚(おどろ)かじ。

いで大船(おおふね)に乗出して
我は拾わん海の富
いで軍艦(ぐんかん)に乗組みて
我は護(まも)らん海の国

mugakudouji
時事

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