アバター

土曜日に、別に見たい映画でもないのだが、「アバター」を見に行った。
「タイタニック」もふくめキャメロンの今までの監督作品に好きなものはない。
別に嫌いでもないけど。

「アバター」がただの映画だったら絶対に見に行かない。
今回の目的は3Dだ。
作品に興味がなければ、じっくりと3Dを見ることが出来るじゃないか。

3D映画で思い出されることと言えば、20数年前に見たオバケのQ太郎とウルトラB。
どちらもドラえもんと同時上映だったものだ。
赤と青の立体メガネをかけてみたが、子供だましの域を出ないものだった。
同じ頃、ディズニーランドで見たキャプテンEOはとても良くできていてびっくりした。

藤子映画もディズニーランドも、「映画」を見せるのではなく「3D」を見せることが主眼だった。
実際驚いたし、おもしろいものだとは思ったが、赤と青の立体メガネではリアルな映像には出来ないし、かといってキャプテンEO方式では撮影設備も上映設備も莫大な費用がかかることは目に見えていた。

それが去年、一気に普及した。
映画のデジタル化が進んでいたという、下地が大きかったと思う。
今後僕のみたいだろう映画も3D撮影される可能性が高くなったから、確認の意味を込めて体験してこようと思ったわけだ。

*下記の文章には、映画の核心に触れる部分があるかもしれないので注意。

キャメロンはご存じの通り「ターミネーター」「エイリアン2」「タイタニック」の監督。
僕好みではないにせよ、それなりの映画として見られるだろうという計算もある。

かいつまんでストーリーを。
半身不随の元海兵隊員が、パンドラという惑星に送られる。
そこにはナヴィと呼ばれる地球人ににた種族が住んでいる。
アバターとは、遺伝子操作によって作られたナヴィの肉体で、ドライバーの精神とリンクして活動することが出来る。
主人公の役割は、ナヴィの肉体を操って惑星調査することだが、偶然ナヴィに気に入られた彼の裏の役割は、ナヴィの中に入り込んで、彼らを貴重な地下資源のある場所から立ち退かせることだ。
彼は任務に失敗し、ナヴィは立ち退かない。
しびれを切らした会社側は、武力行使に出る。
地球人とナヴィの間に挟まれた主人公の出した結論は。。。

3Dの映像はどんな感じかというと、ほとんど違和感がなかった。
今までの立体映画は立体映像を見せようとするわざとらしい演出があったが、この映画は映像がたまたま3Dというだけで、おかしな演出はほとんど無い。
わざとらしい演出のある映像だと、わざわざ観客の目の前にまで飛び出してくるものがあったりするが、この映画で印象的だったのは、飛び出すことよりも引っ込んでいたこと。
冒頭の宇宙船のシーンで、主人公が冷凍カプセルから出てくるところがあるのだが、宇宙船の大きさがわかるかなり奥行きのある映像になっていた。

僕が見たのはXpanD方式のシアター。
このタイプはメガネが大きいのだが、メガネの上にも違和感なくかけられた。
ただ、やはり重い。
メガネ慣れしていない人にはつらいだろう。

3Dで若干つらかったのが字幕の位置。
映像が飛び出してくるってことは、ほとんどの場合スクリーンの下部に大きく飛び出してくる映像があるのだが、そこは本来は字幕の位置。
そういうシーンがくるたびに字幕は別のところへ移動する。
字幕が苦手な人には、移動する字幕はつらいんじゃないかな。

ストーリーは、及第点をあげよう。
SF的には取り立てて新しいテーマではないし、ある意味ではありがちなストーリーではある。
でもそれを、期待に外さずにしっかりと作ってあり、十分に見られるものに仕上がっている。
SF慣れしていない観客にもわかりやすいし、思わず涙しそうなところもある。
3Dでなかったら見に行かなかったが、思わぬ拾いものをしたかな。
何しろ、3D技術を見に行ったのに、最後は見入っちゃったんだから。
ちょっとおまけだけど
☆☆★★★

3Dは間違いなく普及する。
トーキーになり、カラーになり進化していったのと、同じ道程にある。
つまり、映画は我々がっじっさいに体験する世界に近づいていっているだけなのだ。
3Dと騒ぐけれど、我々が普段見ているものが立体な訳だから、映像表現としては立体化は、奇をてらったものではなく、正しい進化だと思う。

僕がこの映画が3Dであることを忘れて見入ってしまったのは、3Dが表現として自然だったからだ。

アリスも立体で見ることにしよう。


無學童子
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