超能力バスター

昨日「ゲツヨル!」を見た。
超能力バスターで有名なマジシャン、ジェームス・ランディの「100万ドル超能力チャレンジ」を番組で行ったものだ。
マイケル・マッジオという、「精霊」と交信することで透視が行えるという、超能力者が登場する。
あらかじめ20の絵柄が用意され、封筒に入れてある。これを透視して、20枚中5枚以上当てれば、百万ドルもらえるという趣向。
結局挑戦者は1枚しか当てることが出来ずに失敗し、彼に超能力がないことが証明される。
私は懐疑論者であるから、この結果は当然予測していたが、確率論では手当たり次第でも平均4枚は当たるわけだから、1枚というのはあまりにも情けない。
ところで、自称超能力者が出演し、事件を解決するという触れ込みの番組があるが、超能力が直接のきっかけとなって解決した事件はない。
間接的にきっかけを作りえたとしても、よく検証すれば、今までの調査で分かっている事実からも同じ推論が導き出せるはずである。
あたらないものは忘れられ、当たったものだけが記憶に残る。
現在のところ、超能力はこの世に存在する可能性は低いと考えるのが妥当である。
一方、現在の科学では証明できないものがあるとする意見もあるが、その存在の証明は出来なくとも、その欺瞞、トリックを現在の科学で証明できる場合がほとんどである。
ただし、そこでいう「現在の科学」は非常に難解で、われわれが感覚的に理解できないものが多いことは、忘れてはならない。
アインシュタインの相対性理論を実生活では感じることは出来ず、感じられるのはむしろニュートン力学のほうなのだ。
しかし現在、より科学的に正しいとされるのは相対性理論なのである。
われわれが感覚の上では理解できなくても、理屈の上では説明がつき、実証実験も数多くされているものはいくらでもある。
「現在の科学では証明できない」ものの大部分は、おそらく未来の科学でも証明できないだろう。
いや、現在の科学で十分に否定できる場合がほとんどなのだ。
ところでこの番組では、結局のところ超能力のことを、エンターテイメントと表現し、否定しなかった。これはまさしく、超能力やUFO<霊能力というインチキを盛り上げてきた、テレビという堕落したメディアの、自己正当化である。 およそ科学では証明し得ないものを、あたかもあるかもしれないと煽り立てて、番組を放送する。 興味本位で視聴率は取れるだろう。 だが、一方で「公正な報道機関」を名乗り、公共の電波を使うテレビ局が、こうした欺瞞的な番組を放送することは果たして良いのだろうか。 今回のような超能力否定?な番組ならまだしも、占いだの霊視だの、ほぼインチキと決め付けて間違いのない詐欺師を公共の電波にのっけて褒め称えているのだ。 しかも、「死ぬわよ」なんて、あまりにも下品というものだろう。 結局、今の日本の民放というのは、「報道機関」なんて偉そうなことをいっても、詐欺師の片棒担ぎに過ぎないのだ。

mugakudouji
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