『「どこまでOK?」迷ったときのネット著作権ハンドブック』

著作権法は、度重なる改正とか、法律が想定していないメディアや表現が多数あらわれ、現状は非常に混乱した状態だと思う。
インターネット上にはいろいろなサイトがあるが、結構多いのが何かのファン・サイトだ。こういったサイトの中には、画像や写真を無断で使用し、明らかに著作権の権利侵害を行っているところが多数ある。

私のサイトも著作権には十分注意しているが、運が良かったのは、コナン・ドイルの著作権の保護期間がとっくに終了していることだ。だから、少なくともコナン・ドイルの原文については、パブリック・ドメインということで自由に使用できる。
ディズニーやJohnny’sに関連するサイトだと、こうはいかない。少なくとも画像については全てNGである。

中村俊介『「どこまでOK?」迷ったときのネット著作権ハンドブック』(翔泳社)

どこまでがOKで、どこからがNGとなるのか、既存のメディアについての著作権の解説書は結構あるのだが、インターネットの上のお話となると、とたんに少なくなる。
そんななかで、本書はウェブサイト管理人やBlogユーザーなどの、ネットユーザーの視点で書かれたほとんど唯一といっても良い解説書である(97年にインターネットの著作権について書いた本があったがドッグイヤーの世界で10年前は明治時代に遡るが如きことである。)。

ということで、みんなも少し著作権について考えてみよう。
1:ディズニーのキャラクターを使って書いた、オリジナルの小説をサイトにアップした。これは著作権者に対する権利侵害にあたるか。
2:ディズニーランドのシンデレラ城の前で撮った家族の写真をブログにアップした。これは著作権者に対する権利侵害にあたるか。
3:Winnyで落としてきた映画を個人で鑑賞することは、著作権者に対する権利侵害にあたるか。

本書を読んで勉強した私の解釈だと、
1:権利侵害にあたる。ただし、オリジナル小説のストーリーに当たる部分には、作者の権利が発生するため、たとえディズニーの著作権者でもこれを無断で利用することは出来ないと考えられる。
2:何を主と見るかで解釈が異なる。「これがシンデレラ城です」と解説する場合、何らかの権利侵害をしている可能性がある。「家族の記念写真です」とある場合は、問題ないと考えられる。
3:ただ所持して見るだけでは、権利侵害にはあたらない。これを配布したりすれば、権利侵害となる。あとは、モラルの問題。

さて、私のサイトやblogであるが、改めて見直してみると、誰かの権利侵害をしている可能性のある部分が、少なからずあると思われる。
よく検証してみた上で、問題の無い形に直していこうと思う。
突然記事が削除されたり、文章などが直されていたりした場合は、問題があった部分の修正である。

簡潔でわかり易く、ネットユーザーには必読の書ということで、☆☆☆☆

mugakudouji
PC・インターネット評価付記事

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です