お金で古本を買う

どんな本でも、古書業界で流通さえしていれば、入手は簡単だ。
要は、お金を積めばいいのだ。
それができれば苦労は無い、といわれそうであるが、もちろん時と場合による。
でも、最終的にはそれで手に入るのだから、その分の労力をほかに振り返ることもできるわけだ。
たとえば、私家版の本。
私の手元にある『図書館の役割を論じて、ホームズ自作のレファレンスブックの考察に及ぶ』という本は、小川徹氏の自費で出されたものだか、こういったものは、流通していることさえ知られないのだから、お金を積んだって知る由も無いわけだ。
ホームズの本を収集しようとする者は、常に感覚を研ぎ澄まし、恐らくは埋もれてしまうであろう著作の存在に、感づくようにしなければならない。
ある意味では、商業ルートにのっている本を探すよりは、こちらのほうが奥は深いのである。

mugakudouji
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