加湿器の話 その1 僕の加湿器遍歴

加湿器について僕がブログに書いたものを探してみたら、残っている一番古い記事は2008年だった。
これは加湿器の選び方についての記事だが、結局何度か書き直して現時点では2021年のものが一番新しい。

僕が家電製品の選び方について書いたシリーズで加湿器を取り上げたのは、選び方が難しいと思ったからだ。
一般的に家電製品というのは、効果が非常にわかりやすいと思う。
エアコンなら部屋を涼しくしたり暖かくしたり出来るし、洗濯機なら衣類の汚れが落ちる。
でも加湿器だと、肌や喉をいたわっている人は敏感にわかるかもしれないが、多くの人にとってはその効果が見えにくい。
ホロライブのさくらみこが加湿機能付き空気清浄機に水を入れずに1年間使っていたことが発覚したことがあったが、これは加湿器の効果がわかりにくかったり、加湿器についての理解が足りないからだろう。
僕が留守中に加湿器の水が切れて、時間がたって室内の湿度が下がったにも関わらず、妻は全く気付いていなかったというのも、妻が加湿の効果を全く感じていないからだろう。
効能を感じにくい製品の選び方は難しい。
効能を感じにくい製品は、そもそも必要性を感じてくれるかどうかすら怪しい。
だからこそきちんとした解説が必要なのだが、僕が見るところ、まともなものは大変少ない。
解説以前に、製品としてまともでないものもはびこっている。
そこで自分でまともなものを書いてみようと思ったわけだ。

その記事は幸い好評だったが、書ききれなかった部分もあり不完全燃焼ではあった。
そこで、もう少しざっくばらん且つマニアックに、加湿器周りの情報を掘り下げてみようと思った。

そこで、まず僕が何者で、なぜ加湿器を使って、今まで何を使ってきたのかを書いてみようと思う。

まず僕は、約15年間大手家電量販店の社員だった。PCの個人向け販売からキャリアが始まったが、最終的には法人向けにあらゆる物を販売する立場になった。

加湿器を使うようになったのは、肌が乾燥したり、ドライアイになったりしたから。
きちんと加湿したら、かなり楽になった。

肌の乾燥を意識して加湿器を買ったのは、今から20年ほど前の話。
BONECOというスイスのメーカーの、1359Sという気化式の機種だ。
1万5千円くらいだったと思う。
通販生活で紹介されていて、「自然派の気化式」といったようなうたい文句に乗って買ったのだと思う。
加湿機能は250mL/h、消費電力は16W。
モーターの音もほとんど聞こえず、寝室に置いても気にならなかった。
欠点は、本体サイズが大きいのに、直接給水するタイプだったこと。給水の度に本体を持ち歩くのは無理なので、コーヒーのポットのようなもので何度も水道と往復して給水していた。
もう一つの欠点は、フィルターが汚れやすくて1シーズンで2から3枚程度使っていたこと。1枚2000円程度なので、電気代は安いのに消耗品でランニングコストが高くなってしまっていた。

BONECOは場所を取るので、2010年にシャープの加湿機能付き空気清浄機KC-Z65に買い換えた。
値段は5万円弱。
これはフィルター交換して未だに現役で動いている。
この加湿器は気化式で、強モードで600mL/hという高性能なもの。最大消費電力は空気清浄+加湿で35W。
手入れも簡単だし、タンクは外せるので給水も容易。
加湿フィルターの説明書を見ると「交換目安 10年」とあるが、実際にはカルキなどの汚れが固まってしまい、3シーズンくらいで交換しているのが実情。

転居して部屋が増えたので、寝室用に2013年にパナソニックのFE-KXH05を追加購入。
値段は1万5千円くらい。
気化式で、加湿能力は480mL/h、消費電力は13W。
フィルター交換は10年が目安。タンクは別。
BONECOと比較して、さすが日本の大手メーカーの製品は優秀だと思った。

リビングの加湿能力に不足を感じたので、2015年にダイニチのHD-5014を購入。
値段は1万3千円ほど。
ここで初めて、加熱気化式(ハイブリッド式)を導入。
加湿能力は500mL/h、消費電力は163W。
消費電力が過去の他のものと一桁違うんだけど、気化式モードになると365mL/h、最大消費電力は11Wになる。
気化式との最大の違いは、とにかく起ちあがりが早いと言うこと。
帰宅して電源を入れたらあっという間に目標の湿度に上がる。
加湿能力のスペック値が同じなら、気化式だろうと加熱気化式だろうと同じはずなのだが、加熱気化式の方が起ちあがりが早く感じるのはどうにも解せない。
これは数年後に全く同じ機種を買い足している。理由は、同じ機種なら消耗品も同じだから。
フィルターは5シーズンで買い換えが目安。

2021年に、興味本位で象印のEE-RR50を購入。
金額は1万5千円ほど。
加湿方式はスチーム式。
スチーム式の説明で僕がよく言うのは、やかんでお湯を沸かすのと同じ方式、という説明。
従来のスチーム式はとにかく熱くて危ないか、その危なさを軽減するためにフィルターなどの複雑な気候をトプサイシテメンテナンスが面倒。
ところがこれは電気ポットのチャイルドロック機能と同じ物を搭載し、水蒸気を65℃まで下げる機構がついていて安全で、しかもメンテナンスが限りなくフリーに近い。
加湿能力は480mL/h、消費電力は985W。但し加湿時の最大は410W。
これにも欠点はあって、とにかく立ち上がりが遅いことと、消費電力が高いこと。
スイッチを入れてまず行われるのがお湯を沸かすこと。これが終わってはじめて加湿される。
結局、消費電力と立ち上がりの遅さから今ではほとんど使うことはなく、室温が低いときに使うくらいになってしまった。

最後に、2025年に導入したのがダイニチのHD-242。
2017年のモデルで、当時新品なら6万円程度の物を、メルカリで8千円で購入。
本体は変色もなく、中も汚れ無し。フィルターは1シーズン使ったかどうかも怪しいレベルの当たりの中古品。
(加湿器は水を扱うのでカルキなどで汚れがちだが、フィルターなどを新品に交換すればそれなりに使えると思っている。但し、基本的には外れるのでお勧めはしない。)
加湿方式は加熱気化式(ハイブリッド式)。
加湿能力は2,500mL/h、最大消費電力は806W。
尚、気化式モードでの加湿能力は1,700mL/h、最大消費電力は63W。
加熱気化式の標準モードで設定の湿度まで到達するとヒーターがオフになってファンだけがゆっくり回るのだが、実測だと16W程度だった。
フィルターは5シーズン程度。
これの特徴は、67畳対応の化け物級の能力と大きさ。

主力級以外で現在も使っているのは、2022年にPlus Styleのスマート加湿器、2023年にドウシシャのKorobaan POTABLEを2台導入。
これらはいずれも超音波式で、Plus Styleの方はライトがついているので夜間に光らせてインテリアとして置いている。Korobaan POTABLEはスポット加湿用。
あとは、ペーパー加湿器などもある。
過去には小型の超音波式加湿器やスチーム式加湿器を沢山使ってきたが、もはや思い出せない。
スチーム式の加湿機能のついた空気清浄機(アイリスオーヤマ RHF-253)も持っているが、これは加湿器としては使っていない。
ちなみにこれの加湿能力は300mL/h、空気清浄機+加湿器の最大消費電力は283W。

これを踏まえて、次回からはマニアックなお話を。

無學童子
家電製品の選び方私事

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です